今週の花は「郁子(むべ)」、アケビ科のツル性常緑低木で、日本や中国など東アジアが原産地です。4月から5月頃、白く反り返った形の花を咲かせ、秋になるとアケビに似た紫色の果実が枝からぶら下がるようにたくさん付きます。
其枝幼稚園の園庭にある砂場を覆うように葉が茂っており、小さくて白っぽい花が葉の間から見ることができます。花言葉は「愛嬌」、アケビの実が熟すと裂けて口を開けて笑っているように見えるのに対し、郁子の実は熟しても裂けずに口を閉じて可愛らしく微笑んでいるように見えることから来ています。
「もっともだ」とか「なるほど」という意味の「むべなるかな」という言葉があります。飛鳥時代の天智天皇が田舎で出会った老夫婦に長寿の秘訣を聞いたところ、この郁子の実を食べていると差し出したところ、天皇も食されて「むべなるかな」と言われたことが名前の由来になっています。おいしくて栄養のある食べ物があまりない時代の話ですので、現代の私たちが食しても「むべなるかな」という感想は出ないかもしれませんね。
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