夏にまだら模様の入ったオレンジ色の花を咲かせ、日中に咲き夕方に閉じてしまう一日花ですが、花期の間7月から9月ごろまでは次々と咲き続けます。
暑さ、寒さに強く、根や茎は生薬にもなり、『古語拾遺』(平安時代の歴史書)の中には、厄災が村を襲った際に、ヒノキでできた扇「檜扇」で扇ぐととたちまち村が元通りになったという話が残っていますが。その檜扇と似ていることから同じ名前で呼ばれるようになったヒオウギは病気にかかりにくく、葉も長持ちするため、縁起物・魔除けの花として重宝されてきました。
京都では祭の期間中、民家の軒先などに「魔除け」として飾る習わしがあり。祇園祭には欠かせない植物として、古くから重宝されている「祭花」なんです。
その花言葉は「誠意」「個性美」だそうです。
その独特な花の形もさることながら、ヒオウギの種子は丸く、真っ黒でツヤがあるのが特徴。「ぬばたま」「うばたま」と呼ばれ、真っ黒で艶やかな実の美しさが人々の心をとらえたのですね。和歌でもしばし読み込まれ、万葉集では、「夜、黒、夢」などにかかる枕詞として使われます。なんとも雅ですね。
ところで「烏羽玉(うばたま)」という和菓子があるのをごぞんじでしょうか?
京都の老舗和菓子店が1803年創業より作り続けている代表銘菓、名前の由来はヒオウギという花の種子からつけられたとされています。宝石のような艶のある美しい黒色をしており、見た目がヒオウギの種「うば玉」そっくりなのです。
小さい頃、このお菓子をなぜ「うばだま」っていうのだろう?と思いつつも、あんこ好きな祖母と一緒に味わったことを思い出します
ヒオウギの実の事だったのですね。
艶々黒光する薄い寒天でくるまれた滑らかなこしあんは、黒糖の風味豊かでとっても上品
今月は合同記念礼拝もあり、家族が集まる時。祖父母を偲びつつ「烏羽玉」味わいたいな😊
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